常習空き巣犯と鉢合わせた大学生に鉢合わせた私

私は現在33歳の専業主婦です。私が当時20代前半、

社会人1年目で一人暮らしをしていた時に経験した話です。

あれは忘れもしない夏の暑い日でした。

午後7時過ぎ頃、勤め先を退社し、

20分ほど地下鉄に乗って自宅の最寄り駅に到着しました。

暑くて食欲もなく、帰って自炊する気力もわかなかったため、

近くのスーパーで出来合いのそうめんを購入しました。

 

レジを済ませ、帰りがけに目についた書籍コーナーで

 

ファッション誌をしばらく立ち読みしていました。

 

気が付くと時計は8時を回っており、

さっきまで明るかった外はすっかり暗くなっていました。

慌ててそこから徒歩10分程の自宅まで急ぎ足で帰りました。

自宅は、大通りから一本脇道に入り、

街頭の少ない住宅街に建つ木造の古いアパートでした。

 

いつものように脇道に入り、自宅アパートの駐車場まで来たとき、

暗がりから若い男性に呼びかけられる声がしました。

 

 

「すいません…あの、すいません…」

 

 

よく見ると、決して広くはない駐車場の隅に、

恐らく若めの男性が、

何かを抱えて座り込んでいるのが分かりました。

 

無視しようと思いましたが、

しつこく何度も呼びかけてくるので

 

恐る恐る近づいてみると、

 

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その男性の周りには、

カナヅチやドライバーのような物が数本散乱しているではありませんか。

 

また、その若い男性が抱えているのは、

 

上下黒っぽい服を着た年配の男性であることが確認できました。

 

年配の男性は、「うぅ…」やら「あぁ…」やら声にならない声を発して、

 

時々体に力を入れたり、若い男性に「やめろ、離せ!」

などと言っています。

 

「この人は大工さん?ケガでもしているのか?

ひき逃げされて介抱されてるとか?」

 

その異様な光景に状況が全く理解出来ず、

色々な想像が頭の中を駆け巡りパニックになりました。

 

 

 

しばらく身動きが取れないでいると、若い男性が一言。

 

 

 

「すいません、警察を呼んでもらえませんか。」と。

 

……は?

 

 

どうやら通りがかりの何人かに同様に声をかけたが

 

スルーされた模様でした。110番じゃなくて119番では?

 

と疑問に思いながらも、その男性にとにかく早くと急かされて、

 

何事かも分からないまま、私は言われるがままに

人生初の110番をすることになりました。

 

電話がつながると、若い男性の言う事をただそのまま繰り返して警察に伝えました。

 

私「えっとですね…自宅アパートの駐車場にいる若い男性に110番を頼まれまして…」

 

男性「自宅アパートに侵入していた空き巣を追いかけて、

駐車場で取り押さえているところです。」

 

 

私「若い男性が、自宅アパートに侵入していた空き巣を追いかけて、

駐車場で取り押さえているところです。……え?…えー!?」

 

 

通報しながら何となく事態を飲み込み、

電話口で今さら思いっきり驚く恥ずかしい私でした。

 

私の部屋は2階でしたが、どうやら男性は

私の部屋の真下に住む大学生で、

 

数十分前に帰宅した際、

 

自分の部屋に窓を割って空き巣に入っていた年配の男性と

 

鉢合わせになったようです。

 

そして窓から逃走した犯人を追いかけ、

駐車場でもみ合いになった末に取り押さえたというのです。

 

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犯人は、犯行に使ったカナヅチやドライバーを投げつけて

 

大学生に抵抗したそうで、駐車場に散らばっていたようです。

 

もし自分がまっすぐ家に帰ってきていたら…

あの時立ち読みしていなかったら…と考えると、足が震えました。

 

その後間もなく警察が到着し、

犯人や大学生とやり取りを始め、

そこに近所の野次馬がどんどん集まって騒がしくなってきました。

 

大捕物を初めて間近で見て、

少し血の気が引きながら私も部屋に帰りました。

 

ますます食欲がなくなり、買ってきたそうめんを見つめていると、

 

ピンポーンと部屋のチャイムがなりました。

 

ドアを開けると警察が…。

 

なんと私も事情聴取されるため署まで来てほしいと。

 

任意とは言うものの、ほぼ強制でした。

まだかなりドキドキしていて、頭も混乱している私に

こんな展開が待っているなんて…と思いつつ、

指示に従ってパトカーに乗りました。

 

何も悪い事はしていないのに、

野次馬にジロジロ見られながらパトカーに乗るのは、

決して気分の良いものではありませんでした。

 

大学生が捕まえた空き巣はずっと警察が追っていた常習犯で、

この日も近くをパトロールしていた所だったそうです。

 

その後、勤め先から自宅に戻るまでの私の行動、

110番をするに至った経緯、犯人の面通しなどをして、

午前2時頃にようやく解放されました。

 

どっと疲れて家に帰り、硬くなったそうめんを見てさらに

ドンヨリしました。

 

翌日、寝不足の所を空き巣を捕まえた大学生が

ご丁寧に挨拶に来てくれました。

私なんかよりも長い時間警察にいたようです。

空き巣犯を捕まえた事をよほど警察官に褒められたのか、

 

 

「自分、警察官になろうと思います!」

 

などと夢を語って帰って行きました。

 

その日を境に家に帰るのがなんとなく怖く、

 

程なくして新しい部屋を探し始めたのは言うまでもありません。

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