浜辺に星空を見に行ったら心霊スポットだった

これは僕が大学一年生の時の話です。

その頃、僕は某大学の学生寮に住んでいました。志望校に落ち、後期試験で滑り込んだ学校に通いながら、第一志望校に通うことを諦めきれず仮面浪人をしていました。学生寮に住みながら他の大学の受験勉強することはなかなかに辛く、勉強せずにフラフラ遊んでいることも多かったです。

その日もいつものように授業を終えてから自分の部屋で適当に過ごしていました。ネットゲームをやったり、適当な晩御飯を作って食べたり……。そうしてダラダラ過ごしているといつの間にか12時を超えてしまいました。そろそろ寝るかなーとか時計を見ながら考えていたのですが、唐突にヒトカラに行きたくなりました。

すぐさま自転車に飛び乗って、近所のカラオケ屋へ向かいます。当時はちょうどヒトカラが流行り始めた頃で、まだ1,2回しか行ったことがなかったので緊張していました。カラオケ屋に到着すると、店の前にはグループで来たであろう集団が屯していました。僕は唐突にヒトカラに行くのが恥ずかしくなって、店の前で引き返しました。

「これからどうしよう……」そんな事を考えながら、自転車を適当に漕いでいると、そのうちに海が見えてきました。当時僕が通っていた大学は海近くに建っていて、学生寮もそのまた近くです。その時僕は突然開けた海を見て、「そうだ、星を見に行こう」と思いました。浜辺なら建物が少ないから空も広く、該当なんかも少なくてきっときれいな星空が見えると思ったのです。

浜辺について観ると、それはそれはきれいな星空でした。砂浜に降りようと思ったのですが、そこまで通じている道路と砂浜は2~3mほどの高低差があり、あたりを見渡しても怪談らしきものも見当たらなかったので、僕は浜辺近くの堤防に腰を下ろしました。

星空はそれはそれは素晴らしいものでした。というのも僕はわりと都会の方の生まれで、夜空の星を基本的に観ることのできない場所に住んでたので、その感動は言葉にできなかったです。実家のあたりでは星なんて月と太陽くらい、がんばってオリオン座が見える程度ですが、浜辺で観る星空は比べ物になりません。

5分~10分ほどたったころでしょうか。しばらくは星空を見て過ごしていましたが、段々と飽きて僕は海をぼうっと眺めていました。すると、ふと違和感を覚えて、僕は波打ち際に目線を集中させました。違和感というか、誰か人が立っているのです。